領域趣旨

領域趣旨

継続する星形成と重元素合成・放出により固体惑星の材料物質分布は銀河中心領域から外側に広がってきた.この銀河進化によりハビタブル惑星が生まれる環境が銀河系の内側から外側へ「開拓」された.約46億年前に生まれた太陽系の起源・進化を探るためには,現在とは異なる太陽系誕生の環境を理解することが必須であり,宇宙年齢に匹敵する時間スケールでの銀河系の進化を理解する必要がある.

そのため,今まさに手にした銀河系円盤部における星形成論の新しい枠組みを発展させ,銀河系スケールでの星団形成活動を記述する.また,関連研究者の総力を結集して,進化する銀河系における多様な惑星系の形成論を構築し,現環境とは異なる初期状態を起点とする太陽系史研究へとパラダイムシフトを導く.更に太陽を生んだ星団の他の星,つまり太陽の兄弟星の分布や,太陽系のように生命を育む惑星系の形成領域分布の描像を確立し,惑星系観測の新機軸を構築する.

本領域の内容

銀河スケールでの星形成活動を理解し,進化する銀河系の中で多様な惑星系の形成・進化を解明すること,特に太陽系がどのような場所・環境で生まれ,何を経験してきたのかを突き止め,真の太陽系の起源を理解することである.

さらに,太陽を生んだ星団の他の星,つまり太陽の兄弟星の分布や,太陽系のような生命を育める惑星系の形成領域分布についての描像を確立し,惑星系観測・探索の機軸を構築する.この新しい挑戦的研究テーマについて,対応する天文学・宇宙物理学のすべての分野の専門家が協力する.

本領域は,以下の6つの研究項目により上記の研究目的の達成を目指します.